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果樹とは?/ レイク

[ 521] 果樹
[引用サイト]  http://heboen.hp.infoseek.co.jp/kaju.html

ここにあるのは、木本の中でも、果実の収穫を目的とする植物である。草本性の植物については、たとえ果実の収穫が目的であっても、「ハーブ」「野菜」のほうに入れた。
果樹類は、大きく育つ木が多いので、広い庭がなければ育てられないと思われがちだが、適度な剪定によって、木を小さく仕立てることができる。庭がなければ、鉢植えにすればよい。鉢植えでも収穫は可能である。
鉢植えの果樹は、水・肥料を効かせる時期や分量をコントロールしやすく、強い日光や風を避けることも容易なため、気象条件の影響をまともに受ける地植えの果樹よりも、質のよい果実が収穫できる。ただし、木が小さいので、収穫量は少ない。
果樹を鉢植えにする場合は、根を十分に張らせ、よい果実を収穫するためにも、最低でも5号、大きく育つ木なら、7号以上の大鉢に植える。
樹木の苗木には、挿し木で作った「挿し木苗」、接ぎ木で作った「接ぎ木苗」、タネをまいて作った「実生苗」がある。新たに果樹の苗木を入手するなら、「接ぎ木苗」が最善である。「挿し木苗」もよいが、ブドウの場合は、フィロキセラ(ブドウネアブラムシ)の被害を受けることがあるので、避けたほうが無難。なお、アケビやイチジク、ザクロ、スグリ類、ナツメ、ベリー類などは、接ぎ木苗が出回らないので、挿し木苗を入手する。「実生苗」は、果実が成り始めるまで年数がかかり、しかも、質のよい果実が成るとは限らないので、なるべく避ける。
サクランボやナシ、モモ、リンゴなどの接ぎ木苗の中には、「矮性台木」に接がれた苗が存在する。矮性台木とは、文字通り、矮性(樹高が高くならない性質)の台木で、これに接がれた穂木は、台木の影響を受けて樹勢が抑えられ、コンパクトな木に育つ。矮性台木を用いた苗木は、場所を取らずに済む上に、結実までの年数も短くて済むので、よいことづくめだが、樹勢が弱くなりやすく、木の寿命が通常より短くなったりする。
別の仮植えの手順としては、穴を掘らず、10号くらいの大鉢を用意し、その中に苗木を仮植えする、という方法もある。苗木が複数あれば、数本まとめて一緒に仮植えしておく。
根作りを行うと、太根の切り口から細根がたくさん発生するので、定植した後も生育がよい。しかし、落葉樹は、葉がある時期に根をいじられると弱り、ひどいと枯れることがあるので、危険を冒してまで行う必要はない。
落葉果樹の場合、主幹が一本で、ほとんど分枝していない、変な形の苗木が多い。そのような苗木を入手したら、樹形作りから始めなければならないので、地植えにする際に、高さ60〜70cmくらいの部分でばっさり切っておく。(必ず、芽のすぐ上で切る。)鉢植えにする場合は、鉢の高さと同じくらいの高さになるように切る。いずれも、だいたい、苗木の高さが2/3になるように調整するとよい。このような強剪定を行うことで、春以降、分枝が促され、樹形が作りやすくなる。(とはいえ、春に芽吹かない危険性もあるので、必須の作業ではない。)
果樹の苗木を、いきなり地植えにすると、その後数年間は、樹勢が強くなりすぎて木が生長し続け、なかなか成熟しないため、開花・結実まで時間がかかる。一方、鉢植えにすると、三年くらいで成熟する。そのため、地植え予定の果樹は、一度、鉢植えで数年間育てて、開花・結実を数回経験させてから地植えにするのがよい。そのようにして育てられた果樹は、鉢植え時代に樹勢が落ち着き、「実成りグセ(成りクセ)」が付いているので、いきなり苗木を地植えするよりも、開花・結実までの期間が短くてすむ。
果樹の樹形の仕立て方は、見た目の美しさより、果実の数・大きさ・品質・収穫しやすさを第一に追求するため、普通の花木・庭木類の仕立て方とは異なる。鉢植えなら、あまり木が大きくならないので、難しく考える必要はないが、地植えの場合は、幼木のうちから地道に樹形を作っておかないと、放任状態で大きく育ってしまうと、剪定や収穫に大きな支障を来す。
開心自然形仕立て … 低い位置で、主幹から複数本の主枝を出させ、それぞれを斜め上に伸ばさせて、フォークの先のような形に仕立てたもの。
扇仕立て … 「ファン」ともいう。主幹形仕立てに似るが、主幹を斜めに誘引して、適当な位置で摘芯し、伸び出ている主枝も、それぞれ横方向に誘引する仕立て方。木を真横から見ると、扇型に枝葉が茂っている。
杯状仕立て … 低い位置で、主幹から複数本の主枝を出させ、その主枝を、それぞれ、横に大きく開かせた形。木を真横から見ると、杯型に枝葉が茂っている。
一文字仕立て … 「垣根仕立て」「ホリゾンタル仕立て」ともいう。フェンスなどを固定し、そこに二本の主枝を横方向に誘引して固定し、平面的に仕立てたもの。二本の主枝を左右に伸ばさせ、T字型に誘引することが多い。つる性植物はもちろん、それ以外の果樹にも行われる。
棚仕立て … 支柱を立てて棚を作り、そこに主幹を誘引して、多数の主枝を棚の上に這わせたもの。つる性植物はもちろん、それ以外の果樹にも使われる仕立て方。
スタンダード仕立て … 直立した一本の主幹の上部だけに、こんもりと枝葉が茂っている仕立て方。下葉と下枝は全て切除する。
壁面仕立て … 「エスパリエ」ともいう。壁面にネットやワイヤーなどを固定し、そこに幹や枝を誘引して平面的に仕立てたもの。つる性植物以外の木でも可能。
このうち、単為結果性のものと、自家結実性が強いものは、一本だけ植えれば収穫が楽しめるので、一般家庭向きといえる。他家結実性の強いものは、異なる品種を二株以上用意しなければならず、雌雄異株のものは、雌雄両方の株を用意する必要がある。
とはいえ、同種の果樹でも、品種によって、性質が異なることも少なくない。例えば、モモは、多くの品種が他家結実性だが、自家結実する品種も存在する。自家結実する品種を選べば、植えるのは一本で済む。
ウメやモモの中には、花が咲いても、花粉が出ない品種が存在する。また、カキには、雄花のない品種がある。それらの果樹も、花粉や雄花を持つ、別の品種と一緒に育てなければ果実が成らない。ただし、ウメは、品種によって、花期がずれることがあるので注意する。(同時期に開花しなければ、受粉の機会がないため。)
サクランボやナシ、リンゴには、たちの悪いことに、別の品種同士であっても結実しない、相性の悪い組み合わせが存在する。事前によく調べておきたい。
自家結実性の強い果樹であっても、できれば他の株の花粉で受粉させたほうが、よい果実ができる。ただし、ウンシュウミカンは、他のカンキツ類の花粉で受粉させると、果実にタネが入ってしまうことがある。
二本以上植えるのが無理なら、一本の木に、別の品種を接ぎ木するとよい。雌雄異株の木なら、雌木に雄木を接ぎ木すれば、一本で済む。最近は、あらかじめ接ぎ木済みの苗木も売られている。
また、切り花など、別品種の開花枝が手に入ったら、その枝を水に挿して、実を成らせたい木の枝に吊しておくと、虫によって受粉が行われる。
果実が未熟なうちに、よくないものを摘み取る「摘果」は、大きなよい果実をならせつつ、適切な樹勢を維持するために、必須の作業である。摘果を開始する時期は、ごく小さな果実が成り始めた頃がよい。果実が自然に落ちる「生理落果」のことも考え、摘み取り過ぎないよう注意。一回で終わらせようとするのではなく、二〜三回くらいに分けて行うとよい。生理落果が終わったら、最後の摘果を行う。
摘果の際は、形の悪い果実や病虫害を受けた果実、他に比べて小さすぎる果実を、最優先で摘み取る。また、長い枝に付いた果実は優先的に摘み取り、短い枝に付いた果実は残す。さらに、ほぼ真上を向いた枝(主枝の先端など)に成った果実も、あまりおいしくならないので、優先的に取り除く。下向きや横向きの枝に付いた果実は、品質がよいので残す。
摘果を怠ると、収穫の多い年と少ない年が交互に訪れる「隔年結果」の傾向が現れる。カキやミカンなどで顕著に現れるので、これらの果樹は、摘果をさぼらないほうがよい。
「袋かけ」は、果実を病虫害から守ったり、果実の色をよくするために行う。全ての果樹で行うわけではなく、カリン、キウイ、ビワ、ブドウ、ナシ、モモ、リンゴなど、一部の果樹だけで必要な作業。市販の袋を利用してもよいし、油紙や新聞紙で手作りしてもよい。花が終わり、小さな果実ができた頃(たいてい5〜6月)に袋をかけ、7月頃〜収穫のおよそ1ヵ月前までの間に外す。このとき、いきなり外すと果実が日焼けすることがあるので、まず袋の下を破り、数日〜数週間待ってから全て外す。
果実が急速に肥大する時期は、絶対に水切れさせてはいけない。乾き気味の土を好む果樹であっても、例外ではない。水切れすると、高確率で落果が起こる。また、一度水切れした後、急に水をやると、果皮が割れる「裂果」を起こすことがある。
ただし、収穫の10日前くらいからは、やや乾かし気味にすると、果実が水っぽくならず、品質がよくなる。乾かしすぎると落果するので、無理はしない。
夏に果実が成熟するものは、早朝か夕方に収穫する。日中は、果実の内部まで高温になっているため、収穫後の日持ちが悪い。
天気の悪い日に収穫すると、果実の味が良くない。雨天だと、収穫後の日持ちまで悪くなる。なるべく、晴天の日を選んで収穫したい。
寒肥には、遅効性の有機質肥料を使うと、根が傷まずに済む。春の生育開始期から効かせる、重要な肥料なので、忘れずに与える。
ミカンやユズ、レモンなどの「カンキツ類」は、他の常緑果樹とは異なる、独特なクセがあるため、ここに、特記事項として記しておく。なお、キンカンはキンカン属に属し、カンキツ属の植物ではないが、性質はほぼ同じ。
カンキツ類は、樹高はそれほど高くならないが、枝が広がるので、意外と場所をとる。にも関わらず、一度地植えすると植え替えが困難なので、よく考えてから植え付ける。また、枝にトゲがある種類が多いので注意する。
どの種類も、やや暖地性なので、寒冷地で育てる場合は、室内で越冬させるのが無難。暖地で育てる場合も、乾いた寒風が直接当たる場所は避ける。なお、夏の暑さには比較的強いので、夏越しの苦労は、さほどない。
ほとんどが常緑樹だが、カラタチは、例外的に落葉樹である。枝が大きなトゲだらけで危ないばかりか、果実が食用にならないため、利用価値が低い。しかし、接ぎ木の台木としてよく使われている。
ナツミカンやハッサクなど、果実を付けたまま越冬する種類は、-3℃以下の低温にあうと、凍害を受け、果実が凍って内部が崩れてしまい、食べられなくなる。
ほとんどのカンキツ類は、一本だけで結実するが、例外的に、ハッサクやヒュウガナツは他家結実性なので、ナツミカンなどを授粉樹にする。
カンキツ類の新梢は、4〜5月に伸びる「春枝」、7月上旬〜8月上旬に伸びる「夏枝」、8月中旬〜9月下旬に伸びる「秋枝」の三種類がある。このうち、翌年用の花芽は、春枝と夏枝にできる。秋枝は、伸びた翌年に充実し、翌々年に花芽を持つ。(ただし、徒長してしまった夏枝は、秋枝と同様、充実が翌年にずれこむことがある。)また、前年に結実した枝から伸びた新梢にも花芽はできず、その次の年になってから、ようやく花芽を持つ。このような性質上、カンキツ類の剪定は、適期を守り、かつ、必要最小限にとどめなければならない。
夏枝や秋枝は、樹勢の強い木ほどよく発生する。また、初夏の結実率が悪かった場合も発生が促される。伸長が止まる10月中〜下旬か、翌年の3月頃に、強めに切り戻しておく。(暖地以外では、秋の剪定は行わないほうが無難。)樹形を乱すようなら、基部から全て剪定してしまっても差し支えない。
カンキツ類は、地上で新梢が伸びると、少し遅れて、地下で新根が伸びる性質がある。そのため、新梢の伸びが落ち付いてきたら施肥をするように心がければ、失敗がない。
果皮の内側にある、白っぽくフワフワした部分(中果皮)を「アルベド」という。(いわゆる「白いスジ」の部分である。)果実を食べる際に取り除いてしまう人が多いが、この部分は、有用な成分を多く含んでいるらしい。カンキツの品種によっては、アルベドにも甘味がある。ちなみに、外側の黄色く固い部分(外果皮)は「フラベド」という。
カンキツ類を接ぎ木・挿し木する際は、穂木の選択に注意する。春〜初夏に伸び、すでに硬くなった新梢を選ぶという点は、他の樹木と同じだが、カンキツ類の新梢は、よく見ると、痩せて、縦方向に溝が入っている枝が混じっている。そのような枝は、切り口の形状がいびつで、勢いが弱く、活着率が劣るので、穂木には、切り口の形状が円形に近い、健康的な枝を選ぶのが望ましい。
カンキツの接ぎ木は、健全な穂木を選ぶことが大切である。穂木が強毒性ウイルスに感染していることに気付かず接いでしまうと、台木まで一気に枯れることがある。
カンキツ類は、比較的病虫害の多い果樹である。夏以降、果実が茶色く変色し、果皮が硬くなるのは、サビダニの被害である。5〜7月頃に、マンネブダイセンM水和剤を2〜3回散布すれば、被害を軽減できる。変色するのは果実の表面だけなので、食用に支障はないが、味は今一つである。食べるのが嫌なら、入浴剤にするのも手。湯に茶色が流れ出るようなことはない。
サビダニ以外の害虫は、アゲハチョウ、アザミウマ(スリップス)、アブラムシ、カイガラムシ、カミキリムシ、ハダニ、ハモグリガ(エカキムシ)などがある。病気は、ウイルス病(ウイロイド病含む)、かいよう病、すす病、そうか病などにかかりやすい。
カンキツ類に感染する、シトラスタターリーフウイルス(CTLV)は、日本では、多くの株が、すでに感染済みだと聞く。アブラムシのほか、接ぎ木によって伝染する。土壌伝染については不明らしい。CTLVには、弱毒性の種類と強毒性の種類があり、前者はほぼ無害だが、後者は、木を枯らすこともある。木が元気なら、あまり気にしないほうがよいと思われる。

 

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